ビタミンEは、体の中の活性酵素の働きを抑える「抗酸化作用(こうさんかさよう)」のある栄養素として広く知られています。抗酸化作用による具体的な効果には、以下のようなものがあります。
ビタミンEの効果
- 老化や病気を防ぐ
呼吸や食事によって作られる「活性酵素(かっせいこうそ)」の働きを抑制し、体を健康な状態に保ち、老化や病気を防ぎます。 - 肌や髪を健康に保つ
同じく活性酵素を抑制することで、肌の老化をゆるやかにし、ツヤのある髪を保ちます。 - 血のめぐりをよくする
ビタミンEには、血管を広げて血液の流れをスムーズにする働きがあります。血のめぐりがよくなることで、体が温まりやすくなったり、冷え性を防いだりするのに役立ちます。

ビタミンEを摂り過ぎると、どうなる?
ビタミンEは、脂に溶けやすい「脂溶性(しようせい)」のビタミンのため、体に取り込まれやすい性質を持っていますが、普通の食事で摂取する分には、大きな支障はありません。しかし、サプリメントなどで過剰に摂取した場合には、以下のような症状が起きる場合があります。
- 出血しやすくなる
血管を広げる役割が過剰に作用し過ぎて、出血がしやすく、また怪我をした場合にも血が固まりにくくなります。
- 吐き気や下痢をもよおす
ビタミンEはトコフェロールとも呼ばれ、胃腸の不具合や疲労などにより、吐き気や下痢の症状が出る場合があります。
- 骨がもろくなる
特に高齢女性に多い骨粗しょう症を患っている方には、過剰摂取をすることで骨折のリスクが高まる場合が、最近の研究で報告されています。
ビタミンEが豊富な食品
主に植物由来の油やナッツ類、魚などに多く含まれています。以下のような食品が、その代表例です。
- 植物油
ひまわり油、オリーブオイル、ごま油 - ナッツ類
アーモンド、ピーナッツ、くるみ - 魚介類
うなぎ、サーモン、マグロ - 野菜類
かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリー
ビタミンEは、体の中の血液の循環をよくし、老化や病気を抑制することで健康を支える大事な栄養素です。ナッツなどの植物性の食品を、毎日の食事にバランスよく加え、丈夫でハリのある健康的な体づくりを実践しましょう。